9月|乾燥を防ぐ – 梨の豚肉チーズ巻|朝倉市・林農園
こんにちは!㈱アジアン・マーケットの国際薬膳師・室井です。
この「福岡食材×四季の薬膳」コラムでは、薬膳の考え方を参考に、季節に合った福岡のおすすめ食材と作り手とをご紹介。
そしてその食材の持つ効能を伝え、簡単なアレンジレシピで楽しみ方もお伝えしています。
★このコラムには時々「中医学」の専門用語が出てきます。もし言葉の意味がわからなくても、漢字の組み合わせなどから想像できることが多いので、気軽に楽しんでみてくださいね。
9月 – 秋
秋に、とにかく一番気を付けるべきは「乾燥」です!
秋の臓器である「肺」は「喜潤悪燥( きじゅんおそう )」といって、乾燥を嫌い、潤っている状態で良く働く臓器。
乾燥すると、咳や喘息が出やすくなってしまいます。
そんな秋におすすめなのは“白い食材”が多いと言われています。
梨、白ごま、白きくらげ、百合根、卵、牛乳などが乾燥を防ぐのに良い食材です。
また、夏の暑さが残る秋前半には、身体を冷やす食材を上記にプラスする(トマト・きゅうり・苦瓜など)。
寒さが増してくる秋後半には、身体を温める食材をプラスする(ネギ・生姜・大葉・みょうがなど / ただし少量で!)と良いので、ぜひ覚えてみてください。
9月の福岡食材|梨 / 林農園 / 朝倉市
秋を迎えた9月の食材は、福岡県朝倉市「林農園」の 梨 (新高梨)です!
★「新高梨」…「林農園」さんで、9月下旬頃~旬を迎える品種。玉が大きいうえ、水分と甘みが多くて、食べ応え抜群。「シャリシャリ感が良くて、甘くて瑞々しく、とってもおいしかった~!( by室井)」
梨の効能
秋に旬を迎える梨は、瑞々しくておいしいですよね。
薬膳的に見ていくと、梨は身体を冷やす「涼性」です。なので、冷え性の方は、たくさん食べすぎないように気をつけましょう。
また、旬の果物は生で食べるのがおいしい!のですが、薬膳としていただくなら、なるべく火を通してもらいたいです。温めておいしく楽しみましょう!
少し深堀して梨の効能を見ていくと「生津潤燥 (しょうしんじゅんそう )」という四文字熟語で表されます。
津(しん)とは津液(しんえき)のことで、身体の水分を指しています。
つまり梨は「津液を生まれさせ、乾燥を潤す」食材ということ。まさに、秋にピッタリの食材なんです!
【作り手紹介】林農園 / 梨
「林農園」さんは、おいしい果物や野菜が採れることで有名な福岡県朝倉市で、先祖代々農業を営んできました。
梨作りを始めたのは今から80年以上前のこと。大切にしているのは土作りで、果樹では特に難しい梨を減農薬・無化学肥料で栽培しています。
代表の林誠吾さんは、ひいおじいさまの代から数えて4代目。大学卒業後に造園の設計をする企業に就職し、梨農家になりました。
福岡県の中でも朝倉市は、果樹園が広がる自然豊かな風景が素敵だなと感じる地域です。ですが、収穫までに時間がかかる果樹は新しく始める人が少ないということもあり、就農する人数が減っているのだとか。
「朝倉らしい景色をどうやったら残せるか考えています。だからこそ、農家を志す若い世代の受け皿になれるような農園を目指したい!」と仰る林さん。
造園の仕事は今でも“どうすれば朝倉の自然豊かな風景を後世に残すことが出来るか”ということを考える糧になっているそうです。
★もっと詳しく「林農園」を知りたい方へ★
秋・9月のレシピ|梨の豚肉チーズ巻
今月の薬膳アレンジレシピは「梨の豚肉チーズ巻」。
乾燥を防ぐ秋の代表食材「梨」に、先ほどご紹介した白い食材「チーズ」「白ごま」、秋に使いたいお肉の、身体を潤す「豚肉」を使った、乾燥対策バッチリの秋レシピです。
梨のシャキシャキ感が楽しく、旬を迎えた梨の甘みと、チーズやタレの塩味がベストマッチ。甘じょっぱくてなんともおいしいんです!
★レシピ詳細★
材料(2人前):梨1個、豚バラ肉200g、スライスチーズ8枚、白ごま少々、薄力粉少々、★しょうゆ大さじ2、★酒大さじ1、★はちみつ大さじ1、ごま油少々
- 梨を1cm角の棒状にカットする。
- スライスチーズを半分にカットする。
- 豚バラ肉の上にスライスチーズと梨を載せて巻き、薄力粉をまぶす。
- ごま油を敷き、4を焼く
- ★の調味料を入れ、とろみがつくまで焼く
- 白ごまをまぶす
旬の梨を食べて、おいしく乾燥対策!
瑞々しい旬の梨を食べれば、おいしく乾燥対策に!ぜひ、取り入れてみてください。
そしてせっかく食べるなら、福岡県産のとってもおいしい食材を取り入れてみてくださいね♪
今月の福岡食材は「林農園」さんの「梨」でした~!!
それではまた来月、お会いしましょう♪
林農園 / 梨 インフォメーション
公式HP・お問い合わせ先: https://www.hayashinouen.com/
★「林農園」の「梨」を購入できる場所
【オンラインショップ】
林農園公式オンラインショップ:hayashinouen.com/product-list
★こちらもおすすめ。林農園手作りの「ようはいこう(養肺膏)」
養肺膏(ようはいこう)とは、中国でのどが痛い時や風邪の引きはじめに食べられている伝統的な食品です。
梨の果汁を約10分の1の量になるまでコトコトと煮詰め、生姜の搾り汁と蜂蜜を加えて、手作りされています。
★もっと詳しく「養肺膏(ようはいこう)」を知りたい方へ★
国際薬膳師|室井 友希 プロフィール
1991年1月1日生まれ。
「株式会社アジアン・マーケット」ディレクター。福岡県内の小規模事業者を中心に、商品開発・営業・販売・企画運営などを行う。
福岡県の魅力発信サイト「もっと福岡」のライターとして、県内300か所以上の取材&記事執筆。
自分の不調をきっかけに、健康管理の一環として薬膳の世界を学びだし、2023年に「国際薬膳師」の資格を取得。
趣味はジャズダンス。
コメントを残す